20日に急性肝不全で急逝した映画監督の森田芳光さん(享年61)の通夜が23日、東京・青山葬儀所で営まれ、俳優役所広司(55)女優秋吉久美子(57)ら約700人が参列した。参列した映画関係者によると、森田さんは生前、遺作となった「僕達急行
A列車で行こう」(12年3月24日公開)の後に続く新作も構想。志半ばで亡くなった故人の遺志を継ぎ、早くも関係者が映画化実現に動きだしたことも分かった。
複数の参列者によると、森田さんの最新構想は、既に物語の大枠が出来上がり、仮題も決まっていたという。脚本は未完成だが、主要なキャストもリストアップしていた。13日に入院した後、近い関係者には「体が良くなったら、もう1本撮りたい」と打ち明けていた。また、別の関係者は「詳しくは話せないが確かに次の構想はあった。何らかの形で実現したい」と力を込めた。
森田さんは今月に入り、「インフルエンザ気味」と体調に異変を感じた。「僕達急行
A列車で行こう」がオープニング上映されることで、出席を予定していた北海道函館市で2日に開幕の「函館港イルミナシオン映画祭」を欠席。だが、13日に都内の病院に入院した際は、あくまで検査入院程度の感覚だったという。妻の和子さん(60)や近いスタッフも「大丈夫そうだ」と安心し、病院を離れた20日に容体が急変。和子さんらが慌てて戻ったが、帰らぬ人になったという。
「僕達急行-」の白倉伸一郎プロデューサーも突然の別れを悔やんだ。「こういうことになるとは誰も夢にも思っていなかった。奥さまも私も、まだ現実のものとは思えないところがあります」。ひつぎの中の森田さんについては「健やかなお顔でいらっしゃった。語りかけたら『こんなしめやかじゃ、いけないんじゃないの。もっと明るくしなきゃ』と、今にもおっしゃるんじゃないか」と話した。ひつぎには参列者に求めた“監督への手紙”が、今日24日の葬儀・告別式の際に納められるという。
森田さんは「僕達急行-」のプロモーションについても、年明け以降、自ら陣頭に立って舞台あいさつなどを行い「各地の方々に、自分の口でメッセージを送りたい」と熱望していた。愛する映画とともに一生を駆け抜けた森田さんの法名は、名前から1字、映画から1字取った「常然院釈芳映」(じょうねんいんしゃくほうえい)に決まった。




