スタジオジブリ最新作「思い出のマーニー」(米林宏昌監督、7月19日公開)の杏奈役に高月彩良(さら=16)、マーニー役に有村架純(21)が選ばれたことが15日分かった。ダブルヒロインはジブリ史上初でともに声優初挑戦。米歌手プリシラ・アーンの「Fine

 On

 The

 Outside」も初めて、全編英歌詞の主題歌となる。

 西村義明プロデューサーは、昨年9月に長編アニメから引退した宮崎駿監督と「かぐや姫の物語」の高畑勲監督が絡まない初の長編映画となる今作に向け、米林監督が「高畑、宮崎監督がいなかったら、こういう作品しか作れないのか、とは絶対言わせない」と宣言した、と明かした。

 原作の英国児童文学を愛する宮崎監督も「自分には生涯、映画にできない。難しい」と語っており、それが企画の決め手だったという。その上で、西村氏は「2人の少女の繊細なやりとりは挑戦。宮崎、高畑両監督は、この原作で子どもが見る映画は作れない」と説明した。

 米林監督は10年「借り暮らしのアリエッティ」を監督したが、宮崎監督の企画、脚本を受け絵コンテを描いた。今回は自ら脚本を担当し、自身にはない外部の血を入れようと「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」で作画監督を担当後、宮崎監督の元を離れた安藤雅司氏を作画監督と共同脚本に招いた。さらに美術設定まで行った宮崎監督の代わりに、美術監督に種田陽平氏を招き同氏の設定も参考に脚本、絵コンテ作りを進めた。

 舞台も英国から、近い環境の北海道に変えた。自分を見失う杏奈を、湿地帯にある屋敷に住む謎の少女マーニーが受け止める物語について、米林監督は「マーニーは杏奈にとって、トトロ…子どもの時の不思議な出会いを描きたい」と語ったという。

 それに見合うヒロインを選ぶオーディションの開催も自ら提案し、有村は即決。高月も熟慮の末、スタジオジブリで最終審査まで行い、自ら決めた。西村プロデューサーは「(過去を)しのぎうる作品が出来てきていると思う」と自信を見せた。【村上幸将】

 ◆有村架純(ありむら・かすみ)1993年(平5)2月13日、兵庫県生まれ。昨年のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」で、小泉今日子が演じた春子の若き日を演じてブレーク。160センチ、血液型B。

 ◆高月彩良(たかつき・さら)1997年(平9)8月10日、神奈川県生まれ。5人組ユニットbump.yのメンバー。2月公開の映画「僕は友達が少ない」など出演。168センチ、血液型A。