今年の国会は、仕事始めと同じ1月4日からという、異例の早さで始まった。毎年、通常国会の招集日には1つの「恒例行事」がある。天皇陛下がお言葉を述べられる開会式が終わり、出席者全員でお見送りした後で、「和装振興議員連盟」の議員を中心に国会議事堂の正面前に集まり、着物姿で記念撮影を行うのだ。

 撮影会は99年から行われているが、前身の「きもの議員連盟」が発足したのは1973年(昭48)と聞くので、長い歴史を持つ議連だ。目的は、着物の普及や和装教育の充実で、最近では日本文化の発信という一面もある。超党派の議連なので、この時ばかりはふだんは対立する与野党の議員が、同じ目的のため、いっしょに写真撮影に収まる。

 着物を自前で調達する議員もいるが、若手議員を中心に、レンタルの着物から選ぶケースが多い。以前、自分の成人式の際に購入したという振り袖を出してきて、着用していた女性議員もいたが、やはり、どこか「浮き気味」だった。

 ここ数年、この撮影会を取材していて思うのは、着物は日ごろから着る機会を持っていないと、なかなかサマにならないということだ。そういう意味で、女優出身の三原じゅん子・参院厚生労働委員長の立ち姿や裾さばきは、普段、着物を着る機会のない、記者のような素人から見ても、ほかの女性議員とは、やっぱりちょっと違う。女優時代も含めて、日ごろから着物を着る機会が多いと聞くと、妙に納得する。写真撮影の際の顔や体の角度など、ポーズの取り方もきれいで、今年も、男性同僚議員との「撮影会」に、引っ張りだこになっていた。

 夫の宮崎謙介衆院議員が、「育児休暇取得宣言で」議論を巻き起こしている自民党の金子恵美衆院議員も、昨年までは、着物姿で参加していた。今年はマタニティーのワンピースだった金子氏も、元「新潟県きものの女王」だ。プロフィルにも、着付けを「特技」と記している。初当選して初めて、議連の撮影会に参加した13年1月には、織物の産地でもある地元のPRも兼ねて、絞り染めの「辻が花」を着ていた。

 この撮影会が終わると、すぐに与野党の国会論戦が始まるし、ふだん、着物で登院する議員は、まず、いない。着物普及のための恒例イベントとはいえ、国会で、着物が「普段着」になるには、時間がかかりそうだ。