30日の国債市場で、長期金利の指標である新発10年債(382回債、表面利率2・4%)の利回りが急上昇し、一時、約27年3カ月ぶりの高水準となる2・535%を付けた。中東情勢の緊張が長期化して原油価格が高騰し、物価に上昇圧力がかかるとの見方から国債が売られた。日経平均株価も値下がりし、外国為替市場では円相場が対ドルで下落し一時1ドル=160円台後半を付け「トリプル安」の展開となった。
長期金利の上昇は企業活動の停滞や、住宅ローン金利の負担増につながりかねない。終値利回りは休日前の28日と比べ0・055%高い2・515%だった。
米国とイランの戦闘終結に向けた交渉の不透明感が強まり、原油の供給停滞も長引くとの見方から30日の米原油先物相場は上昇。指標となる米国産標準油種(WTI)は一時、約3週間ぶりの高値水準となる1バレル=110ドル台を付けた。
国内のインフレが進めば日銀が利上げに踏み切るとの見方が強まり、国債を売る動きを促した。大和証券の上田晃裕シニアストラテジストは「大型連休中に原油がさらに値上がりすれば、長期金利に上昇圧力がかかるだろう」と話した。
原油高は「有事のドル買い」も誘った。東京外国為替市場では1年10カ月ぶりの円安ドル高水準となり、片山さつき財務相は30日、「いよいよかねて申し上げてきた断固たる措置を取るタイミングが近づいている」と述べ、為替介入に踏み切る可能性を示唆した。三村淳財務官も投機的な取引をけん制し「最後の退避勧告として申し上げる」と述べた。その後、海外市場で円が買い戻され、一時1ドル=159円台前半を付けた。
企業業績も悪化するとの懸念から株価も値下がりした。東京株式市場の日経平均株価(225種)の下げ幅は一時900円を超えた。終値は28日と比べ632円54銭安の5万9284円92銭。
大阪取引所10年国債先物の中心限月である6月きりは44銭安の129円26銭だった。(共同)

