8日午前5時15分ころ、福岡市博多区博多駅前2丁目の道路が陥没し、周辺で停電が発生した。停電の影響で付近の銀行のATMが使用できなかったり、早朝からオフィスに入れない多くの会社員らが不安そうな表情を浮かべた。

 現場から200メートルほど離れたビルに勤務する会社員男性(46)は出勤途中のバスの中で街の様子がおかしいことに気付いた。「普段は開いている銀行が閉まっていた」と振り返る。博多駅の地下街を歩くと、銀行員がATMが使えないことを利用者に話していたという。

 この男性によると会社に入れたのは午前10時15分過ぎ。停電の影響でエレベーターが動いておらずオフィスのある7階まで同僚と一緒に階段を上がった。「街の中心部でこんなことが起こり驚いています。地盤がどうなるか心配です。まずは電気が復旧してくれないと仕事ができません」と困惑していた。

 現場は博多駅近くの幅14メートルの市道交差点付近。JR博多駅から中州方面に500メートルほど向かったところ。現場付近にはガス漏れが発生しているようで、ガスの臭いがするという。また周辺のビルには避難勧告が出されており、東西約150メートル、南北約350メートルの範囲にわたって通行規制されている。朝から上空には取材関係者のヘリコプターが数機、旋回するなど騒然とした雰囲気に包まれた。