稲田朋美防衛相は14日の衆院予算委員会で、南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報などをめぐって民進党議員に追い詰められ、安倍晋三首相から何度も代理の「リリーフ答弁」を受けた。「秘蔵っ子」の稲田氏をかばう首相には、同党から「『駆けつけ警護』はやめてください!」と苦言が飛んだ。

 稲田氏が、憲法9条に抵触するとして「戦闘」を使わないことに関し、辻元清美議員が、過激派組織イスラム国(IS)をめぐるシリアの内戦は「戦闘か衝突か」と質問したが、やりとりはかみ合わず、見かねた首相が「私は自衛隊の最高指揮官だ」と割って入った。「ISの軍事作戦の後方支援は考えておらず(法的評価は)検討していない」と答えた首相に、辻元氏は「稲田氏になるとムキになり、私が私が、というのはやめてほしい。大臣の資質に欠けることを総理が示している」と、皮肉った。

 稲田氏は別の民進党議員に指摘されたオスプレイ予算問題では、答えるたびに審議をストップ。また、10分以上立ち往生し、首相の「一発回答」で窮地を乗り切る場面もあった。今や金田勝年法相とともに、「アキレスけん大臣」(野党議員)の稲田氏だが、首相は「今後も職責を果たしてほしい」と、野党の辞任要求を突っぱねた。【中山知子】