昨年、名古屋市が実施した「都市ブランド・イメージ調査」で、名古屋は「買い物や遊びで訪問したいか」で断然最下位、「最も魅力に欠ける都市」で圧倒的な1位となった。行きたくない街NO・1になってしまった名古屋に4月1日、「レゴランド・ジャパン」が開業する。市は観光振興の目玉として期待し、レゴランドを起爆剤に「大逆転都市名古屋」を目指している。

 レゴランド・ジャパンは名古屋駅から「あおなみ線」で24分。金城ふ頭に開業する。2~12歳の子どもを持つ家族をターゲットにしたテーマパークで日本初上陸となる。東京ドーム2個分(9・3ヘクタール)の敷地に名古屋城など有名建造物、街並みを1000万個以上のレゴブロックを使って再現したミニランドなど23のアトラクションが設けられる。大人6900円、子ども(3~12歳)5300円。ディズニーランド(大人7400円、幼児・小学生4800円)、ユニバーサルスタジオ(大人7600円、子ども5100円)並みだが、初年度入場者200万人を見込んでいる。

 名古屋といえば“行きたくない街NO・1”。「買い物や遊びに行きたいと思いますか」という問いに「行きたい」との答えはわずか1・4ポイント。1位の京都の27分の1。7位の大阪からも大きく離され、ぶっちぎりのビリだった。名古屋は果たしてレゴランドで変わるのか。

 「名古屋は1時間圏内に600万人、2時間圏内に1200万人がいて、(親、子、孫の)3世代マーケットがあるんです。おじいちゃん、おばあちゃんが孫にものすごく金を使う。大人をターゲットにしたディズニーランド、ユニバーサルスタジオとは競合していないし、幼稚園、小学生の子どもたちを連れて行くにはものすごくいい施設になっています。200万人というと、名古屋城(174万人)より多いですが、恐らくもっと来るだろうと思います」

 「都市ブランド・イメージ調査」を発表した名古屋市観光文化交流局ナゴヤ魅力向上室の田頭泰樹室長は、レゴランドの内覧会に出席し、巻き返しに向け、観光振興の目玉になると確信したという。

 「名古屋は横浜や神戸のようなベイエリアのにぎわいがなかった。コンテンツパワーが足りず、寂しい感じでしたが、レゴランドでガラッと変わる感じがあります」(田頭室長)。レゴランドの隣接地には商業施設「メイカーズ・ピア」(初年度来場者300万人)もオープンし、市では金城ふ頭エリアの経済波及効果を640億円と試算する。

 田頭室長によると、名古屋はタクシーに乗って「どこか面白い所はありますか」と尋ねると「名古屋に面白い所ないわ」と運転手が答える気質、文化があるという。「自己評価がすごく低いんです」。ぶっちぎりのビリという結果が出た後、市民に追跡アンケートしたところ、「残念だが仕方がない」(60・4%)、「当然と思う」(21・1%)と8割以上が「やむなし」と回答したという。

 「市民が名古屋のことを良く思ってくれないと前へ進まない」として、ナゴヤ魅力向上室では「1・4ポイントからの逆襲」とサブタイトルを付け、元SKE48の梅本まどかを起用。「みんなで発信ナゴヤの魅力」というパンフも作った。田頭室長は「グランパスはJ2、ドラゴンズは最下位。3ビリトリオですが、今シーズンは何とか脱出して上を目指す。大逆転都市名古屋と言っていただきます」と話している。【中嶋文明】