小池百合子都知事と自民党都連が激突する東京都議選(7月2日投開票)は、来月23日の告示まで約1カ月。一騎打ちとなる千代田区(定数1)は、すでに選挙モード全開だ。小池氏と、同区が地元で今期で都議を引退する「ドン」内田茂氏(78)は今週末、ともに街頭デビューした新人候補への支持を訴えた。2月の区長選に続く、小池VSドンの「代理戦争」の行方は?

 小池氏は、特別顧問を務める「都民ファーストの会」の選挙応援初日となった20日、樋口高顕(たかあき)氏(34)と、東京・有楽町に現れた。「千代田区から私の相棒がほしい。樋口くん以外にない」と、内田氏からの議席「奪還」を宣言。「都連による忖度(そんたく)政治はもう結構だ。この青年は、都民の皆さんの気持ちを受け止め、決めていく」と訴えた。

 樋口氏は政治学を学んだ京大時代、小池氏の当時の地元事務所(兵庫県)に4年間、インターンで勤務。同じ立場の学生同士で競った事務所の「模擬選挙」では1位。小池氏の信頼は厚い。「守るものは守るが、変えるべきは変える。古い政治体質はクリーンな活動でこそ変わる」と訴えた。

 昨年の都知事選、2月の区長選の流れを受けた「小池氏VSドン」の代理戦争の最前線に立つが、「相手は意識せずに、凜(りん)として正々堂々戦いたい」。21日は小池氏も出席して、事務所開きを行った。

 ◆都議選の現状 42選挙区、127議席を争う。自民は60人の候補者を決定。都民ファーストの会は、小池氏の支持勢力で過半数(64議席)獲得へ60人規模の擁立を計画しており、現在までに45人を公認した。他のおもな政党は共産38人、公明23人、民進21人、東京・生活者ネット4人。