川崎の佐野遥久騎手(17=鈴木義)が11日、大井で初勝利を挙げた。騎乗を依頼したのは大井の須田和伸調教師(52)。記念撮影のプラカードを受け取った師は「これ、どっきりじゃないよね?」と某有名バラエティー番組ではないことを確認。世代がバレそうなボケに同学年のこちらも思わず反応してしまったが、それだけではなかった。

プロレスラーのハルク・ホーガンがやっていた「イチバーン」ポーズを取ろうという話になった。これも世代がバレそうなネタだなと思っていたら、佐野騎手の父光洋さんも同世代。名前の遥久(はるく)はホーガンが由来で、格闘技が好きな父の命名とのことだ。聞けば「父からは僕が格闘家で弟がジョッキーになれと言われていたんです。でも体格的に逆になって」と佐野騎手。柔道やブラジリアン柔術をやっているという弟迅羽(しんば)さんもかなりの実力らしい。

依頼の決め手を須田師に聞くと、テレビでデビュー前の模擬レースを見たことがきっかけだという。「うまいなと。大げさじゃなくデビューしたころのユタカさん(武豊騎手)に似てるなと思って」。師の期待に見事に応えた。【牛山基康】