じっくりと行き先を決める。楽天からFA宣言をした美馬学投手(33)が5日、都内でヤクルトと初交渉を行った。スーツをまとい、伊東編成部長らと約45分間、膝を突き合わせた。「本当に、来てほしいという思いをしっかり伝えてもらいました」と深くうなずいた。

提示条件に誠意が込められた。同部長が「うちとしては精いっぱいの額を提示させてもらいました」とする契約年数は3年。年俸も「億は行ってますよ」と総額3億超が用意された。加えて「ファミリー球団」と呼ばれる温かさもアピール。「神宮、東京ドーム、横浜スタジアムと3球場、自宅から通えますよと。ウチはファミリーと呼ばれるように今入っても何年もいるように接してくれる」と環境面を訴えた。

美馬自身も疑問点をしっかりとぶつけた。これまで右肘のクリーニング手術を複数回行っており「ケガもよくしてきているので、環境だったりは聞かせてもらいました。しっかり話をできたので良かった」と振り返った。すでに巨人とも交渉を行い、争奪戦は激しさを増す。その中で「自分と家族が生活する環境が一番いいというのが、一番」と言い切る。後悔のない決断をするため、対話を重ねていく。