村上-坂本の阪神バッテリーは、最後まで広島に的を絞らせなかった。なかなか勝てずにいた村上の状態は首脳陣も心配だったことだろう。まずまずの内容だったが、好調時からすれば物足りなさはある。だがそれを補ったのは、坂本のリードだった。
村上の計9奪三振はすべて空振りで、そのうち7三振までが落ちる球だった。常に追い込んで、いつでもその球を投げられる状態に整えた。そこに投げ込めた村上も良かったが、最終球を投げさせるまでの“筋書き”に、坂本らしい配球の妙を感じた。
9回表は不運な当たりもあったが、ピンチを招いてドリスの救援を仰いだ。あそこを投げきれば、村上に対するベンチの信頼度もぐっと上がった。また打つほうは、やはりこの日のように、3番森下、4番佐藤、5番大山のクリーンアップの方が相手チームは嫌がるはずだ。
一方、広島先発の森下は全体的にキレを欠いた。ボールも、気持ちも弱すぎるから、やり直しが必要だろう。なぜ厳しく指摘するかというと、前日15日のカード初戦で栗林が1安打完封で素晴らしい投球をしたばかり。その勢いに乗っていかなければいけなかった。
先発ローテーション入りして、カード2戦目に投げるピッチャーというのは大事で、難しい。このところ序盤に失点する傾向が強かった森下だが、もともと好投手なのに、いきなりの初回失点で、栗林が作った流れをつぶしたのは残念だった。
また阪神はここにきてもリリーフの順番が固まらないのは悩ましい。試合展開、流れ、相手打者によってリリーフをつぎ込むゲーム運びができない“もどかしさ”を感じているだろう。下位チームも少しずつ上がってくるから、5月下旬からの交流戦は、ペナントレースの行方を左右する1つのポイントになる。(日刊スポーツ評論家)




