柏レイソルがJ1通算300勝に王手となる299勝目を4連勝で飾り、首位鹿島アントラーズと勝ち点3差の暫定4位に浮上した。U-20(20歳以下)日本代表DFの中山雄太(20)が、A代表2人を擁するセレッソ大阪を封じ、1-0の3戦連続無失点勝利に貢献した。U-20W杯韓国大会(20日開幕)前の最後のリーグ戦が、世界と戦う最高の予行演習となった。

 C大阪攻撃陣に、最後まで中山が立ちはだかった。日本代表MF清武のフェイントやクロスに対応し、MF山口には中に切り込むスペースを与えなかった。181センチの自身より、6センチも高いFW杉本にも空中戦でほとんど競り負けなかった。ピンチを未然に防ぎ、相手シュートは7本に抑えて3戦連続の完封勝利。中山は「A代表の選手とやることは少ないので良い経験になった。駆け引きのうまい選手が多く、引き出しが1つ増えた」とU-20W杯へ自信を深めていた。

 試合後にはゴール裏のサポーターから柏の応援旗を手渡された。寄せ書きなどはなかったが「頑張ってきてほしいという意味と受け取って、サポーターの思いも韓国に持っていきたい」と思いを募らせた。

 茨城・龍ケ崎市の愛宕中で、校内合唱コンクールで指揮者を務めた。サッカーでもDF陣のラインコントロール指揮はお手の物。同中ではクラス委員長も務め、柏の下部組織で活動するために入った千葉県立の高校も、スポーツ推薦ではなく一般受験で進学するなど頭脳明晰(めいせき)。1度決めた目標を達成する努力も怠らない。毎試合後必ず、出場試合を90分すべて映像で見直し、自身の反省点を探し、相手の特徴を研究。記憶力と応用力の良さもあり、柏では昨季から先発に定着している。

 U-20W杯のメンバーでは15歳のFW久保を始め、攻撃陣に注目が集まる。それでも「あまり気にせず、結果を残していけばDFも注目してくれると思う。U-20W杯は結果次第で今後のサッカー人生が変わる」と奮起を誓った。日本が勝ち続ければ長期不在となり、節目のJ1通算300勝は不在の可能性が高いが「得られるものも多いので1日1日を大切にしたい」と力説。チームをさらに上位に押し上げるため、一回り大きくなって帰国するつもりだ。【高田文太】

 ◆中山雄太(なかやま・ゆうた)1997年(平9)2月16日、茨城・龍ケ崎市生まれ。愛宕中時代に柏U-15に所属し、柏ユースを経て、15年6月23日のホームG大阪戦でJ1デビュー。昨季J126試合出場2得点、今季はここまでJ19試合出場無得点。181センチ、76キロ。