前回の決勝と同じ顔合わせは、3連覇を狙う桜花学園(愛知)が、昭和学院(千葉)を64-58で下し、4年連続25度目の決勝進出を決めた。

 桜花学園はシューティングガード遠藤桐(きり)主将(3年)が前半、チーム最多の12得点を挙げて流れを引き寄せた。馬瓜ステファニー(2年)も、昭和学院・赤穂ひまわり(2年)とのマッチアップで、好プレーを見せ、得点を重ねた。

 40-29で迎えた第3Q、桜花学園は2分20秒過ぎ、ゴール前の混戦で遠藤が脳振とう、一時的に起き上がれられなくなる。井上真一コーチ(69)は「遠藤がいなければゲームにならない」と、すかさずタイムアウト。心配されたが、ほどなく復帰し、リードを15点に広げた。

 ところが、第4Qは昭和学院が猛反撃。試合時間残り1分33秒で、山本由真主将(3年)の3点シュートが決まり、2点差に迫られる。しかし、桜花学園は、井上コーチから「逃げないで攻めろ」と指示を受けた遠藤がドライブで反則を獲得。フリースロー2本を落ちついて決めると、その後一気に点差を広げ、そのまま逃げ切った。

 最後の場面で井上コーチは「ボールを運べるのは遠藤と山本(真衣、1年)なので、2人に持たせた」。「ドライブでいけばファウルをもらえる。それがねらい目だった」。

 一時は冷や汗をかいたが、最後は実力を示した。井上コーチは「昭和学院とは今年2度対戦したが、デキが良くなかった。でも今日は、さすがに粘りがあった」と相手の健闘をたたえた。

 遠藤は脳振とうの時、「みんなの頑張れの声がして、やるしかないと思った」。2点差になった時は、「自分のフリースローになったので、無心で決めた」。そして、明日の決勝については「ディフェンスを持ちこたえて、もっと良いプレーをして、絶対に優勝する」と、3連覇を誓っていた。