宇都宮ブレックスが、チャンピオンシップ(CS)に向けて、理想的な形でレギュラーシーズンを締めくくった。

試合の出だしこそ9点のランを許したが、慌てることなく点差を詰め、第2Q途中に逆転。比江島慎、渡邉裕規、遠藤祐亮、鵤誠司らが次々と3ポイントシュートを決めれば、ビッグマンたちは空いたインサイドに飛び込み、確実に得点を重ねる。前日は登録外だった田臥勇太、小川敦也も10分近くプレータイムを残し、最終節連勝フィニッシュを選手全員で飾った。

佐々ヘッドコーチは「安易なゲームの入り方をしてしまったが、その後に慌てず、CSに向けていい教訓となった」とうなずいた。渡邉も「最後まで全員で死力を尽くせた。(レギュラーシーズンに)いい締め方が出来た」と話した。

51勝9敗。チーム歴代最高勝率で駆け抜け、今週から始まるCSには、今季リーグ最高勝率チームとして臨む。そして、クォーターファイナルの相手は宿敵千葉ジェッツに決まった。

今季リーグ戦では4戦4勝だが、天皇杯準決勝では21点リードからの逆転負けを喫している。ワイルドカードからCSに滑り込んだ2季前には、クォーターファイナルで地区優勝だった千葉Jを敵地で撃破し、一気に頂点まで駆け上がった。

今回は立場を変えて、ライバルをホームで迎え撃つ。

佐々ヘッドコーチは「チャレンジャーとして、今季やり続けてきたバスケをぶれずにやりきれるかとうか」と話した。渡邉は「2季前の僕たちがそうだったように下から上がってくる恐さはある。1日でも長く、このメンバーで死力を尽くすだけ」と静かに闘志を燃やした。

運命の第1戦は10日午後7時25分、ティップオフを迎える。【沢田啓太郎】