宮田笙子(19=順大)が3連覇を飾り、パリ五輪代表を決めた。4月の全日本選手権での得点を持ち点に2日間演技し、この日は4種目合計でトップの54・299点。チームの「和」を意識した演技で、エースとして躍動した。
16歳の岸里奈(戸田市SC)、18歳の岡村真(相好ク)、16歳の中村遥香(なんばク)、19歳の牛奥小羽(日体大)も代表入り。全員が10代で初出場となる、平均17・6歳の新世代をけん引する。
◇ ◇ ◇
「珍しいですよね」。試合後に、宮田がほほ笑んだ。名前の由来を聞かれると、雅楽の「笙」からで、複数の音を同時に鳴らして和音を奏でる特長的な管楽器であることを教えてくれた。
名は体を表す。この日、宮田は仲間の力を合わせることを第一に、演技に臨んでいた。「(五輪の)団体決勝を想定していた」。個人よりもチームとして。初優勝した4月の全日本選手権の得点を持ち越し、16日の第1回でも2位以下と差を広げた余裕もあった。「みんなのために演技をしたかった」とエースとして仲間を盛り上げ、勇気づける演技を思い描いた。
初代表ながら、視野は広い。東京五輪後に次代に向かう中、22年からは周囲からエースと呼ばれたが、「実感はなかった」。日の丸を背負い3年目。「だんだん気持ちが上がってきた」と自覚は強い。代表に決まった5人では最年長。床運動の演技後に16歳の中村が涙を流すのを見ると「大丈夫?」と声をかけた。その後の自身の演技が満足できずに終わると、「みんなが(良い演技で)つないでくれたのに」と悔しそうにした。
内転筋痛も抱え、万全ではなかった。「下の子たちから人間としても信用してもらえるように」と誓う。64年東京大会以来60年ぶりの団体総合のメダルへ。「まだまだいける」。和を尊ぶエースが、5人で演技を奏でていく。【阿部健吾】


