角居勢、検疫3カ月ならドバイ断念へ
3月25日にUAE(アラブ首長国連邦)ドバイで行われるドバイ国際競走への角居勢の参戦に黄信号がともっている。同厩舎からはハットトリック(牡5)がドバイデューティフリー(G1、芝1777メートル)カネヒキリ(牡4)がドバイワールドC(G1、ダート2000メートル)フラムドパシオン(牡3)がUAEダービー(G2、ダート1800メートル)に参戦を予定している。だが、舞台となるUAEでは、04年4月に主に馬属に感染する伝染病、鼻疽(びそ)が発生したことから、農水省は同国に遠征した場合、帰国後に着地検疫を受けた後、約3カ月間、牧場に隔離する措置を取ってきた。昨年、ドバイワールドCに出走したアジュディミツオーも帰国後、牧場で過ごしている。
病原菌の発生から2年近くが経過したため、近日中にこの措置が解かれる可能性もあるが1日現在は、競走馬に適用されている輸入検疫5日間、着地検疫3週間に戻すか政府間で協議中だ。現状のまま日本馬がドバイへ遠征すれば帰国後のローテーションに大きな影響が出ることは必至。ハットトリックは目標としている安田記念(6月4日)への参戦も不可能になる。角居師は「3カ月牧場において置かなければならないなら、3頭ともドバイへは行かないと思う」と話している。レースまであと2カ月近くがあるが、海外遠征には入念な準備が必要となるため、出否を決断するまで残された期間はわずかしかない。同じくドバイのドバイシーマクラシックへ参戦を計画しているハーツクライの動向も注目される。
◆鼻疽(びそ) 鼻疽は細菌によって起こる感染症であり、家畜伝染病予防法で法定伝染病に指定されている。馬のほかロバ、ラバなど広く馬属に感染するほか、人にも感染する人獣共通伝染病である。馬が感染した場合の症状は、急性型で発熱、膿(のう)性鼻汁の排出、皮下リンパ節に沿った念珠状結節であり、進行すると敗血症に移行して3〜4週間で死ぬ。慢性型では体表リンパ節のかいよう、4肢などの部位をはじめとしたリンパ節の硬化、腫脹、結節形成となる。東ヨーロッパおよびアジアの一部に存在し、日本では35年に発生例があるが、それ以後はない。
◆検疫とは サラブレッドを含め、犬や猫などが外国から入国(出国)する際、伝染性疾病が国内に侵入(国外へ転出)することを防止する目的で、一定期間隔離し、検査をすること。海外など、外部から競馬場あるいはトレセンに入きゅうする場合、インフルエンザ・ワクチン接種証明書が必要で、検疫きゅう舎で臨床検査と伝染性貧血の検査を受けなければならない。病原菌の潜伏期間を考慮し、10日間の輸入検疫と、3カ月の着地検疫期間を設けている。
ただし競走馬の海外遠征の場合は期間短縮が可能で、海外の滞在期間が60日以内、1カ国のみの遠征であれば、検疫日数は5日間の輸入検査と3週間の着地検査となる。
[2006/2/2/07:29 紙面から]
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