五輪本番を前にした練習で、大地はバサロを繰り返していた。それも、いつもの25メートルではなく、もっと長い距離を。「実はね、バサロを延ばすことを考えているんだ」と教えてくれたのは、鈴木コーチだった。そう言って「金メダル作戦」を明かしてくれた。
「予選のトップはバーコフだろう。3位以内なら大地にもチャンスがある。バーコフは精神的にもろく、本番に弱い。タイムでは負けても、勝負なら勝てる。バサロを伸ばして逃げ切り型のバーコフにプレッシャーをかける。前半で差がついていなければ、相手は焦る。必ず泳ぎのバランスを崩す。そうすれば、ラスト25メートルあたりで追いつける。あとはポリャンスキーを含めて3人の争い。勝負はタッチの差になる」 |
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| ソウル五輪競泳男子100m背泳ぎ決勝で金メダルを獲得し、ガッツポーズを見せる鈴木大地=1988年9月24日韓国・ソウル |
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