J2山形から初の日本代表(U−21)に選出されたMF高木和正(20)が24日、チーム練習に参加した。小1の時に両親が離婚し、母洋子さんに育てられた高木は、幼心で母親の苦労を察知していた。J1の舞台で活躍することを誓う高木は、自分のため、母への恩返しのため、トゥーロン国際大会(6月1〜20日)が行われるフランスへ飛び立つ。
「1度、休みの日にチームメートみんなで一緒に釣りに行ったんですよ。その時、彼は僕にこう言ったんです。『将来お母さんに家を建ててやる』と」。小3からサッカーを始めた高木を指導した、志度スポーツ少年団天野省三監督は、そう言って涙ぐんだ。身体的には小柄だが、瞬発的なスピードがあり、他の子と比べ、抜きんでていたという高木だが「まさかプロになれるとは思わなかった」と同監督は当時を振り返った。
4月9日の徳島戦。地元四国での試合ということで、プロになって初めて、家族が観戦に訪れた。母洋子さんは「得点を取ったら垂れ幕を掲げようと思って、作ってきました」と笑顔を見せた。
しかし、その試合で高木はいいところを見せることなく、後半22分に退く。「積極的にシュートを打てる場面があったが、打てなかった。サイドでもっと勝負したかった」と悔やんだ。洋子さんが「優しい子。小学校の時には母の日に必ずプレゼントをもらっていた」という優しさが、プロの世界であだになっているのか? 3試合連続でスタメン出場を続けていた高木は、その徳島戦を最後にスタメンに名を連ねることがなくなった。鈴木淳監督(43)は「能力があるが、自分で使い切れていない。もっとアグレッシブにならなければ」と積極性を求める。
「試合に出なければ、ここ(山形)に来た意味がない。フランスから帰ってきたら、しっかりスタメンで出場したい」。代表入りを真っ先に連絡した母への恩返しのためにも、高木はアグレッシブさを求め、29日にフランスへ旅立つ。【塩谷正人】
[2005/5/25/11:00 紙面から]
写真=サーキットトレーニングに励む山形MF高木(左)
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