女子ダブルス準々決勝で世界ランク1位の高橋礼華(26)松友美佐紀(24=ともに日本ユニシス)組が、同15位のフー、ウォン組(マレーシア)を2-1で破り、メダルへ王手をかけた。同種目の日本勢は北京4強の末綱、前田組、ロンドン銀メダル藤井、垣岩組に続き3大会連続の4強入りとなった。

 金メダル候補の「タカマツ」組が苦しみながらもフルゲームで4強入りを果たした。今大会4戦目で初めてファイナルに持ち込まれたが「しっかり自分たちのプレーを出して終わらないとと思っていた」(高橋)と動揺はない。巧みなコンビネーションを見せ、21-9と力の差を見せつけた。

 2人がペアを組んだのは07年。宮城・聖ウルスラ英智学院高で高橋が2年、松友が1年の秋。翌年夏の北京五輪、中国ペアを倒した「スエマエ」を見た時のことを高橋は「まさか世界1位の中国の人に勝つなんて、と思った」と振り返る。高校生の2人にとって、世界はまだ遠かった。

 4年前、ロンドン五輪を目指したが、他の日本人ペアとの出場権争いに敗れた。「フジカキ」が日本初のメダルを獲得したその時、高橋は悔しさから試合をテレビで見なかった。一方の松友は「相手のペアとやりたい、勝ちたい」と思いながら戦いを見つめた。悔しさと同時に湧き上がったのは「自分たちにも可能性がある。自分たちが4年後は金メダルをとろう」(高橋)という思い。14年、日本勢で初めて世界ランキング1位の座につく。今はバドミントン王国中国ペアを含め、勝てない相手はいない。4年間、2人の目標はぶれなかった。

 メダルをかけた今日16日の準決勝(日本時間16日午後10時半開始予定)の相手は高橋が「苦手意識がある」と警戒する世界ランク5位の韓国エースペア。最後に戦った5月の国・地域別対抗戦ユーバー杯では1-2で敗れた。高橋は「気持ちだけは負けたくない」。松友は「相手がガツガツくるのは分かっている。それを楽しんでかわしていけたら」。悲願の金へ、まずは難敵にリベンジを果たす。