唯一の現役大学生としてリオ五輪に臨む室屋が、豊富な運動量の秘密を明かした。「小さい頃から長距離はすごい得意で、もともとスポーツ心臓って言うんですかね。心臓が鳴るのが遅いんですよ」。実は、幼少期から健康診断で脈拍数が少ないため、医者から「徐脈(スポーツ心臓)」と診断を受けていた。1回の心拍で流す血液の量が多く、マラソン選手によく見られるハートの持ち主だった。

 五輪アジア最終予選を兼ねた1月のU-23(23歳以下)アジア選手権から、右サイドで上下運動を繰り返し攻守に奔走。ただフィジカルだけにとどまらない。精神面でも強心臓だから、ここ一番で戦える“男らしさ”がある。地元の大阪・熊取町では、中学卒業まで毎年10月はだんじりを引いて育った。「おやじが『祭り男』だったんで、自分も小さい頃から引いてました」。もう1つ男らしい一面もある。

 「矢沢永吉さんが好きなんですよ。テレビで見て『めちゃめちゃかっこええな~』と思ってからですね。なんか生き方がかっこいいんですよ。最終予選でも聴いてました。試合前は絶対矢沢永吉を聴きます」

 ロックの帝王の歌声で闘志を高め、王国ブラジルへ乗り込む。