【ゴイアニア(ブラジル)29日=木下淳】リオデジャネイロ五輪サッカー日本代表が、今日30日(日本時間31日)に同ブラジル代表と国際親善試合を行う。8月4日(同5日)の開幕前最後の実戦で、オーバーエージ(OA)枠にFWネイマールがいる優勝候補に挑戦。11年のU-17(17歳以下)W杯準々決勝で敗れた相手との対戦で、当時出場していたMF中島翔哉(21=東京)ら6人が成長を確かめる。

 5年前から差は縮まっているのか、それとも-。11年7月3日のU-17W杯ブラジル戦に出場し、現在もリオ五輪代表に残るのはGK中村、DF室屋、岩波、植田、MF中島、南野。2-3で敗れた借りを返せるのか、試す機会が訪れた。

 途中出場で反撃の1点目を決めた中島は、出国の前から対戦を心待ちにしていた。「差はなかった。ブラジルに萎縮して日本のプレーができなかっただけ。自分はプレッシャーを感じない方なので、そこまで強いと感じなかった」。右クロスに走り込んで右足ダイレクトで決めた男は、そう言い切ってブラジルに乗り込んだ。ネイマールに対しても「(室屋)成が止めてくれる」と強気に期待した。

 その室屋は、反対に差を痛感した1人だ。日本は同大会、1次リーグでジャマイカに1-0、フランスに1-1、アルゼンチンに3-1と快勝。1位で進んだ決勝トーナメント1回戦でニュージーランドを6-0で粉砕した。迎えたブラジル戦。「強豪国に通用した勢いがあったけど、ブラジルだけは個のレベルの差が違った。スコア的には追い上げたけど、内容的にボロ負け。かなわなかった」。

 それでも、過去最高タイの8強。中田英寿らを擁した93年大会以来18年ぶりの快挙だった。室屋は「あれから個人のレベルを上げようと意識してきた。1対1で、どこまで戦えるか楽しみ」。DF植田も「あの時は優勝を狙っていたので非常に悔しい思いだった。借りを返したい」と燃える。

 当時主将だったDFマルキーニョス(パリサンジェルマン)ら、相手にも当時から残る選手はいる。MF南野は「優勝候補を相手に五輪への良い準備をしたい」。完全アウェーの王国でメダルへの現在地を測る。

 ◆11年U-17W杯の準々決勝ブラジル戦

 7月3日にメキシコで行われ、吉武博文監督(現FC今治監督)の日本が2-3で敗れた。前半16分にCKから先制され、後半3分に現G大阪のFWアデミウソンに追加点を奪われるなど、同15分までに3点ビハインド。ここから日本の反撃が始まり、後半32分にMF中島翔哉がMF高木大輔(東京V)のアシストから1点を返すと、残り2分でDF早川史哉(新潟)も決めた。ロスタイムも攻めたが、あと1点が遠かった。