<チャンピオンシップ:広島1-1G大阪>◇決勝第2戦◇5日◇Eスタ

 広島は点を取られるまで、決勝第1戦と同じ戦いをした。優位な状況だから、このまま試合を動かしたくなかった。リズムに強弱はつけず、テンポ、心拍数を上げない展開を狙った。G大阪は同点とされ、2点を取らなければいけない状況になってから、パトリックを目がけて放り込むことを選択。これで、結果的に広島は守備がやりやすくなった。

 今季の広島はベースの守備がしっかりしている。地味でも、塩谷が強さを見せた。ゾーンでもマンツーマンでも、持ち場の仕事をやり遂げ、相手に突破を許さない。この試合でも非常に効いていた。広島は佐藤であり、ドウグラスであり、チームの土台がしっかりしている。そこに浅野ら1人、2人と入っていく若手も生かされている。

 過酷日程を戦ってきたG大阪にあえて言うと、厳しさが足りない。同点とされた場面も、中央で4人がそろいながら、広島の2人に競り負けた。今シーズンのウイークポイントだ。人数がいることで安心するのか、今季は危機管理が足りないことが散見した。それが最後に出た。克服すべき課題だろうし、まだ強くなれる部分である。(日刊スポーツ評論家)