Jリーグでの活躍を祈っている-。全国高校サッカー選手権で3度の優勝を誇る東福岡から3人のJ1加入内定者が出た。磐田内定のMF藤川虎太朗(こたろう)、G大阪内定のMF高江麗央(れお)、鹿島内定のDF小田逸稀(いつき)だ。15年度大会では2年生ながら、98年度大会以来3度目の優勝と全国高校総体に次ぐ「夏冬2冠」達成に貢献した。

 藤川は昨夏の全国高校総体で得点王に輝き、全国高校選手権では優秀選手に選出されている。今年は元日本代表MF本山雅志(37=J2北九州)らが背負った伝統の背番号「10」を継承し、チームを統率している。小田は身長173センチながら身体能力が高く、対人プレーや打点の高いヘディングなどに自信を持っている。攻撃的MFの高江は中学時、J2熊本ユースに所属、積極的に仕掛ける得意の巧みなドリブル突破が魅力だ。

 今年の東福岡は夏の全国高校総体で優勝候補とされながら2回戦で敗退した。だがJリーグのユースも参加する高円宮杯U-18プレミアリーグ西地区の第15節(10月1、2日)終了時点で10チーム中、G大阪、名古屋やJ2京都をも抑える4位につけ、昨年を上回ると評される底力がある。現在、4連覇を目指す同選手権福岡県大会の最中だが恵まれた戦力で突破する可能性は高い。冬の全国舞台でJリーグ内定者の本領を見たいものである。

 部員は300人近い同校サッカー部。これまでも日本代表のインテルDF長友佑都をはじめ神戸MF増山朝陽、横浜MF中島賢星、元鹿島DF金古聖司や本山、元福岡DF古賀誠史、FW山下芳輝ら、そうそうたるOBを輩出してきた。将来を期待される藤川、高江、小田にも赤いユニホームから「赤い彗星(すいせい)」と呼ばれる名門から、大きく羽ばたいてもらいたい。【菊川光一】


 ◆菊川光一(きくかわ・こういち)1968年(昭43)4月14日、福岡市生まれ。福岡大大濠高-西南大卒。93年入社。写真部などを経て現在報道部で主にJリーグなど一般スポーツを担当。プロ野球等のカメラマンも兼務する“二刀流記者”。スポーツ歴は野球、陸上・中長距離。