20日にU-20(20歳以下)W杯韓国大会が開幕する。5大会ぶりに出場する日本代表は、最高成績である99年の準優勝を超える初優勝に挑戦する。GK小島亨介(りょうすけ、19=早大)は、学生代表としての誇りを胸に大会へ臨む。

 学校所属の選手としては21人のメンバーで唯一の存在。「大学生の代表。大学サッカーの価値向上にもつながる」と、個人以上の使命感を持って日々の練習に取り組む。予選から出場し、本大会の切符獲得にも貢献してきた。「こういうレベルでやれているということを証明したい」と、真っすぐな視線に力がこもる。

 学生でもやれるところを見せたいという思いは、早大に入って強くなった。高校では名古屋ユースに所属したが、トップチーム昇格はかなわなかった。他のJクラブからオファーはあり、そのままJリーガーになることもできた。ただ断った。「トップに上がれないと分かったときから、大学に行こうと決めていた」。違う道を歩んで見返してやる-。クールな表情の奥に燃えるような闘志を秘めている。

 大学では自主性の重要さを学んだ。クラブチームとは違い、毎日コーチがいてくれることもない。自ら考えて練習メニューを作り、グラウンドに向かうことも少なくない。それでも「試合に出場する機会は多い」と環境を悲観していない。試合に出て改善点を見つけ、それをもとに自分でメニューを考える。「ダイブのときの踏み込み力もキック力も、間違いなく向上しました」。これまでなかった経験が、小島をひとまわり大きくした。

 代表のGKは小島のほかに東京に所属する波多野豪(18)、フランスのロリアンでプレーする山口瑠伊(18)。それぞれ違う道を歩み、ここにたどりついた3人だ。「いいものは盗みたい。でも、自分にしかないものもあると思う」と小島。努力に裏打ちされた確かな自信を最大の武器とし、日本のゴールマウスに仁王立ちする。【岡崎悠利】


 ◆岡崎悠利(おかざき・ゆうり)1991年(平3)4月30日、茨城県つくば市生まれ。青学大から14年に入社。16年秋までラグビーとバレーボールを取材し、現在はサッカーで主に浦和、東京V、アンダー世代を担当。