全国高校サッカー選手権(12月30日開幕、東京・国立競技場ほか)の組み合わせ抽選会が22日、東京都内で行われた。北海道代表の室蘭大谷は31日の1回戦第2試合(千葉・柏の葉公園総合競技場)で四日市中央工(三重)との対戦が決まった。コンサドーレ札幌入りが決まっているDF櫛引一紀主将(3年)は道勢初の全国制覇を宣言。まずは3年連続28回出場の伝統校を倒し、頂点を目指す。

 伝統校同士の対決となった。3年ぶり29回目出場の室蘭大谷と3年連続の28回出場の四日市中央工。櫛引は「相手の流れにのまれないように。まずは1戦1戦。最終目標は全国優勝です」と誓った。室蘭大谷は78年度に道勢最高の準優勝。その伝説を32年ぶりに塗り替える決意だ。

 背中を押してもらったゴンへの恩返しを果たす。10月の道予選直前に札幌の練習に参加した。その際に「選手権、頑張れよ」と声をかけてくれたのがサッカー界の大スター中山だった。日本一熱いエールは、3年ぶり王座奪還への力になった。その中山は藤枝東2年時に準決勝進出を果たしている。「まず初戦。次は宮沢さん(07年度2回戦敗退)を超え、ゴンさんの準決勝も超えれば頂点に近づく」。偉大な43歳への感謝の思いを胸に、全国でも最終日まで突っ走る。

 プロ入りへ向けて、心の整理もついた。11月8日に札幌と仮契約をかわした。来年1月16日のチーム始動までは室蘭大谷の櫛引として最後の仕事をまっとうする。「プロにいくのに高校生相手に当たり負けするわけにはいかない。ここで通用しなかったらプロでも通用しない。それぐらいの気持ちで臨む」。優勝することがレギュラー奪取への最初のノルマだ。

 ともに新加入となる札幌U-18三上陽輔(18)同様、グアム1次キャンプもスタートから参加することが決まった。1月末に定期試験のため一時帰国するが、それ以降は帯同可能。「選手権で勝って、気持ちよくチームに合流したい」と意気込んだ。

 優勝だけでなく個人の目標も掲げた。「まずは守備から入る。そしてDFだけでなくゴールも奪えれば」。道予選では無得点だが、室蘭地区予選では2得点と実は得点能力も秘めている。ゴンは84年度の全国選手権で4戦2得点。成績だけでなく得点でもゴン超えを狙う。【永野高輔】