日本協会は23日、8月の東アジア杯(中国・武漢)に臨む日本代表を発表した。

 G大阪の倉田秋(26)が待望の日本代表に初招集された。今回のクラブ別ではG大阪から最多6人が選ばれた。この日、大阪・吹田市内で軽めの調整を行った倉田は、ハリル日本の仲間入りを果たした吉報を聞いて決意を新たにした。

 「(代表は)ずっといきたいと思っていたところ。定着しないと意味がないので、自分の良さを出していきたい」

 多くの代表を輩出するG大阪下部組織(ジュニアユース、ユース)で育ち、U-14(14歳以下)から各年代別代表に選出されてきた「エリート」だった。しかし、トップ昇格を果たした3年後の10年、J2千葉へ期限付き移籍。翌年にC大阪へ移籍するなど経験を積み重ねた末、12年の復帰後は主力に成長し、昨季の3冠獲得にも貢献した。

 「コツコツここでやってきたからかな。ガンバで使ってもらったり、経験させてもらわなければ、選ばれなかった」

 今年になってハリルホジッチ監督が就任すると、同い年のDF藤春や同じ下部組織出身のDF丹羽が代表に呼ばれた。「父親からも『いつ(代表)入んねん』って言われて、プレッシャーかけられてた」。海外組不在とはいえ、ようやくつかんだ代表への切符だ。

 今季は19試合出場で無得点だが、定位置の左MF以外にもFWやボランチ、両サイドバックもこなす器用さがある。攻撃センスは抜群で豊富な運動量も持ち味。ハリルホジッチ監督からも「チャンスをつかんで欲しい」と期待された逸材は「代表は見えへんプレッシャーがある。自分に打ち勝てるかどうかが楽しみ」と言った。G大阪の秘密兵器が、ついに日の丸デビューする。【小杉舞】

 ◆倉田秋(くらた・しゅう)1988年(昭63)11月26日、大阪府高槻市生まれ。FCファルコン(高槻)からG大阪ジュニアユース、同ユースを経て07年にトップ昇格。10年にJ2千葉、11年C大阪に期限付き移籍、12年からG大阪復帰。U-14(14歳以下)から各世代代表を経験。趣味は漫画を読むこと。愛称「シュウ」。J1通算135試合23得点。172センチ、68キロ。