<ロンドン五輪アジア最終予選:日本2-0バーレーン>◇C組◇14日◇国立>

 関塚ジャパン、ロンドン五輪だ!

 U-23(23歳以下)日本代表がU-23バーレーン代表を下し、アジア最終予選C組首位を確定。関塚隆監督(51)が谷間の世代と言われた雑草軍団を率い、5大会連続9度目の五輪出場を決めた。後半10分にMF扇原貴宏(20)が先制点を決め、同14分にはMF清武弘嗣(22)が2点目を奪い、試合を決めた。本大会の組み合わせ抽選会は4月24日にロンドンで行われ、男子1次リーグは7月26日に開幕する。

 谷間の世代と言われた関塚ジャパンが悲願の五輪出場をつかんだ。試合終了のホイッスルが吹かれると、関塚監督は選手全員1人1人とハイタッチをかわし、喜びを分かち合った。スタンドのサポーターにあいさつした直後、全員から水をかけられると、うれしそうな笑顔で額の水をぬぐった。最後までファミリーの結束は変わらなかった。

 関塚監督

 一体感があった。2シーズンにまたがって戦う予選は難しかったが、目標に対して純粋に競争してよくやってくれた。きょうは達成感に浸りたい思いでいっぱいです。

 前半は引き気味に守るバーレーン相手に好機をつくることができなかったが、後半10分にMF扇原が先制点を奪い、流れをつかんだ。そして同14分にMF清武が試合を決める2点目。五輪出場にわずかな望みを持っていたバーレーンの息の根を止めた。

 チームが発足した10年のアジア大会は、各クラブで出場機会が得られないサブメンバーで臨んだ。関塚監督も日本協会関係者に「このメンバーじゃちょっと…」とぼやいたほどだった。

 五輪アジア予選が始まると、Jリーグ出場組もチームに加わり選手層も厚くなった。その一方で、海外に移籍する選手が現れたことで、思うようにベストメンバーが組めなくなった。五輪世代の海外移籍を想定していなかった関塚監督も「僕自身がどうにかできるものではない」と、頭を抱えた時期もあった。2月にはシリアに敗れ、一時はC組2位に転落し、ピンチに陥った。そんな紆余(うよ)曲折があり、メンバーが変わる中でも最後までスタイルを変えることなく、つなぐサッカーを貫き通した。

 08年にはU-19アジア選手権準々決勝で韓国に0-3で敗れ、8大会ぶりにU-20W杯出場を逃し、世代的には世界の舞台で戦えなかった。5年越しの思いをぶつけた最終予選。それだけに、韓国戦での悔しさを知るFW永井は「ワールドユースで負けて悔しい思いをしていたので、ちょっとホッとした」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。雑草軍団が、最後に聖地・国立で自力で五輪切符をつかみ取った。

 チームの結束力でつかんだ五輪切符だ。初招集の選手がいると、ムードメーカーであるDF比嘉とFW永井が積極的に声を掛け、チームにとけ込ませた。また関塚監督の発案で、毎回誕生日を迎えたり、結婚、子供が生まれた選手をスタッフ含め全員で祝うなど、チームの雰囲気作りを大切にしてきた。選手の悩みも聞いた。GK権田は「ここまで誰かがいなくて困ったことはない」と、チームの一体感に胸を張った。1つ1つの積み重ねが実を結んで勝ち取った五輪出場だった。【福岡吉央】