“サー”のお墨付きを受けた日本の10番が、史上初めてホームでW杯を決める!

 日本代表FW香川真司(24=マンチェスターU)が21日、英プレミアリーグでの1年目を終えて帰国。勇退が決まったファーガソン監督から、来季の活躍を確約され、手応えをつかんだ。つかの間の休息を経て、W杯アジア最終予選オーストラリア戦(6月4日、埼玉)イラク戦(同11日、ドーハ)そして、コンフェデレーションズ杯に臨む。

 1回りも2回りも大きくなった香川が、日本に帰ってきた。成田空港に降り立つと、偶然居合わせた人たちから突然、拍手の雨。照れ笑いを浮かべながら小さくお辞儀した。香川のビッグクラブでの活躍は、サッカーファンの枠を超えて広がっていた。マンU移籍が決まってから、ちょうど1年。「この1年は、素晴らしい経験をした」と手応えを口にした。

 勇退が決まっているファーガソン監督から、シーズンの最後に個別で呼ばれた。「ここ(マンU)に来てくれてありがとう」。昨季移籍前、ドルトムントの試合を生観戦し、交渉のテーブルでも直接向き合った監督の言葉は胸に染みた。サーの称号を持つ監督も、呼んだ責任を感じていたのだろう。ピッチから退く経緯を説明された。

 「最後に『君は来シーズンさらに良くなることを確信している』とあらためて言われ、監督と1対1で話せたことは僕にとって大きかった。その言葉を励みに戦っていきたい」

 欧州と日本の移動を懸念し、マンUが持つプライベートジェット機を来季から使用するプランが浮上するなど、ファーガソン監督の愛情は厚く、期待に応えようと成長してきた。

 成長を見せるにはうってつけの舞台が6・4の埼玉だ。日本でのW杯最終予選は、昨年6月以来となるオーストラリア戦。チケットは既に完売。6万人超えは確実だ。「3月のヨルダン戦は自分にとって悔しかった。ホームでW杯を決められるよう、頭を切り替えたい。オーストラリアに勝つことは大前提。勝って、世界でも勝てるサッカーをやって、コンフェデ杯に臨みたい」。1年を通して、体に染みこませた世界基準。今こそ見せるときだ。【栗田成芳】