ナザリト2発で白星発進! J2札幌は15年シーズン開幕戦、アウェーで栃木に快勝した。岐阜から新加入のFWナザリト(24)が、5度の決定機を生む活躍ぶり。前半12分に先制ゴール、後半38分には試合を決める2点目を奪った。開幕戦での複数ゴールは、00年のFWエメルソン以来15年ぶり。期待の“大砲”が、いきなりのマルチ弾で、クラブに初の3年連続開幕戦勝利とリーグ通算300勝をもたらした。
アウェー栃木のピッチが、ナザリトの独壇場になった。スイッチが入ったのは前半12分、FW都倉のシュートを栃木GK竹重がはじくと、こぼれ球を右足で押し込み、あっさりと先制点を挙げた。「FWなら、あの位置を予測するのは必要だからね」。岐阜時代の昨季に続き、2年連続の開幕ゴール。期待通り主役に座った新加入男の一発で、チームはがぜん、勢いづいた。
後半に入ると勢いは倍加した。18分、突然ピッチを離れ、佐川トレーナーに左太もものマッサージを要求する。ここで、ナザロケットに火が付いた。
直後の同20分、DFからのロングボールに抜け出すと相手DFを一気に振り切り、最後はペナルティーエリア内で栃木MF本間に倒された。「狙い通り」という右足PKは相手GKに読まれ止められたが、この屈辱が2度目のロケットを着火させる。30分、35分と、決定機を逃したが、38分、ついに決めた。石井のロングボールに反応し、最初の1歩で相手DFを振り切ると約20メートル独走。最後は相手GKのタイミングをずらし、右足先でゴール右隅に流し込んだ。
「とてもいいボールがきた。落ち着いてゴールできた。チームも勝てて、自分も点が取れてうれしい」。喜ぶナザリトを、バルバリッチ監督も「ゴール以外にも非常にいい働きをしてくれた」と絶賛した。得点の場面だけでなく、献身的守備や、ロングボールでの競り合いの強さなど、随所に、らしさを披露した92分だった。
クラブが喉から手が出るほど欲しかった逸材だ。昨年12月上旬、三上大勝GM(43)がコロンビア帰国前のナザリトと羽田空港で仮契約を結んだ。正式オファーから3日目でのスピード決着。千葉など複数チームが興味を示していたが、プレーオフ中で15年戦力構想に着手できていなかった。プレーオフ進出を逃した札幌は11月中の終戦を逆手に取り、早い段階で誠意を伝え、獲得に成功。00年エメルソン以来、クラブ史上3人目となる開幕複数得点と、昇格に欠かせない、強力ストライカーが加わった。
昨年のW杯ブラジル大会でブレークしたハメス・ロドリゲスはU-17コロンビア代表時代の同僚。母国では、ともに10代から注目されてきた。Rマドリード所属のハメスと差はついたが、まだ24歳。「札幌でこれから1つ1つ結果を積み重ね、将来は代表に選ばれるような選手になりたい」。伸びしろ、得点能力は昨季岐阜での17発で証明済み。今季チームになじむほどに、大爆発の可能性を秘めている。【永野高輔】
◆ナザリト(クリスティアン・ナザリト・トゥルケ)1990年8月13日、コロンビア・ビジャリカ生まれ。07年に同国アメリカ・カリでプロデビュー。同年のU-17W杯ではドイツ戦で2得点するなど、4試合3得点で16強に貢献。インデペンディエンテ・サンタフェ、米MLSシカゴファイアー、チリのデポルテス・コンセプシオンを経て昨季は岐阜でプレーし34試合17得点。187センチ、89キロ。利き足は右。血液型B。
◆開幕戦で複数得点した札幌の選手 96年JFL福島戦でFW吉原が2得点、00年J2鳥栖戦でFWエメルソンが3ゴールを挙げている。ナザリトで3人目。チームとして複数得点を挙げての勝利は前述の96年、00年の他に97年JFL水戸に4-0、01年J2鳥栖に2-1があり、14年ぶり5度目。00年開幕戦で得点したエメルソンはJ2、01年開幕戦で得点のウィルはJ1でリーグ得点王になっている。




