J2札幌がFW都倉賢(29)の3試合連続ゴールなどで徳島に勝利した。1-0の後半20分、内村の左クロスを都倉がヘディングで合わせ追加点。この2点目が勝ち点3につながった。都倉は4月29日金沢戦から5戦6発で今季2度目の2連勝に貢献した。チームは今季敵地8戦負けなし。勝ち点26に伸ばし、順位は7位のままだが、自動昇格圏2位との勝ち点差を3に詰めた。

 驚異の跳躍力でゴールをこじ開けた。1-0の後半20分、内村からの左クロスを、FW都倉がファーサイドに流れながら、バランスを崩すことなく、ヘッドで合わせた。滞空時間の長いジャンプからたたきつけたシュートは、1度はGKにブロックされたが、勢いを失うことなく、ゴールに流れ込んでいった。

 「みんなの気持ちが出た試合。トラブルがあった中、全員が集中力を持って戦えた結果」。前半39分にMF荒野、同ロスタイムにニウドと前半だけで2人の負傷者が出た。試合開始時点の気温は28度。劣勢となった終盤は、汗だくになり足をつりながら、ボールを追い、前線で時間をかけ、逃げ切り勝利に導いた。

 これで5月6日熊本戦から3戦連発、4月29日金沢戦から5戦6発。チームトップ7点と結果を出し続けるが「決勝点が誰とかは結果的なこと。みんながゴールに向かったから」と謙虚な姿勢は変わらない。J2では5シーズン49点も、J1では7シーズン12点。日本代表を目指し、常にハングリーさと向上心を持ち続ける男に、おごりはない。

 昨季は古辺フィジカルコーチに、上体の強さに比べ、下半身が横からの圧力に弱いと指摘され、1年間、徹底してゴムチューブを使い肉体改造を試みた。公式ソックスは足首で切れたものをはき、足先は5本指が分かれたものを用いる。弱点克服への意欲と、用具への独特なこだわりが、この日の、強力なヘディングシュートのベースになった。

 自動昇格圏との勝ち点差は3に詰まり、次戦はC大阪。2戦連続となるJ1降格組との対戦に「次も最高のパフォーマンスをしたい」と前を向いた。難敵相手も、今度は09年以来、自身6年ぶりの4戦連発で、チームをプレーオフ圏に再浮上させる。【永野高輔】