鹿島で活躍し、昨季限りで現役を退いたFW柳沢敦(38)DF中田浩二(35)DF新井場徹(35)3氏の合同引退試合が5日、カシマスタジアムで行われた。鹿島OB主体の「ANTLERS LEGENDS」を率い、3人のサッカー仲間で構成された「KAY FRIENDS」と対戦。柳沢と新井場が1得点1アシスト、中田が1得点。5-2で有終の美を飾った。相手のFW三浦知良も直接FKを決めるなど2万503人のファンを喜ばせた。

 DF新井場(FCティアモ枚方オーナー)は6人抜きゴールを決めた。自陣の左サイドでボールを持つとドリブルを開始。最後は3人のDFの間をすり抜けて右足を振り抜いた。G大阪時ユース時代の97年7月5日にデビュー。18年後の同じ日に移籍先の鹿島で引退試合が組まれ「運命的。ここが自分のホームなんだと再認識した」と感謝した。

 FW柳沢(鹿島コーチ)は前半17分の先制弾で沸かせた。新井場のシュートのこぼれ球を蹴り込み、後半は決勝アシスト。あいさつでは父昭行さんが昨年、生死の境をさまよう大病を患ったことを告白。その上で「手術の1カ月後には外泊許可を得て働いていた。自分も強い男になり、育ててくれた鹿島をまた常勝チームにしたい」と約束した。

 DF中田(鹿島クラブ・リレーションズ・オフィサー)は両軍にイジられながら何とか惜別ゴールを奪った。序盤から1人だけ真剣にマークされ、PKを同期のGK曽ケ端に止められるなど無得点が続く。壁の真ん中を空けてもらったFKも外すなど散々だったが、残り6分で得たPKを何とか決め「やけに敵が多い引退試合だった」と笑った。

<主な出場メンバー>

 ▽ANTLERS LEGENDS 秋田豊、名良橋晃、本田泰人、平瀬智行、曽ケ端準、大岩剛、鈴木隆行、小笠原満男、本山雅志、興梠慎三

 ▽KAY FRIENDS 三浦知良、中山雅史、名波浩、中村俊輔、小野伸二、城彰二、久保竜彦、戸田和幸、森島寛晃、福西崇史