「オーナー岡ちゃん」初V! 元日本代表監督の岡田武史氏(59)が代表取締役を務めるFC今治(愛媛)が4日、四国リーグで優勝した。高知・佐川町のスポーツパークさかわで行われた最終節でリャーマス高知FCに2-0で勝利。昨年11月の就任後初のシーズンで12勝1分け1敗(得失点差+53)の成績を残し、目標のJFL昇格がかかる地域リーグ決勝大会(1次ラウンド、決勝ラウンドとも11月)に駒を進めた。

 優勝が決まっても、観客席の岡田氏は微動だにしなかった。勝てば優勝、引き分け以下で逆転V逸の最終節。前半3分に先制しながら後半38分の2点目まで80分間、1-0で推移した展開に「何が起こるか分からなかったのでホッとした」と率直な思いを口にした。

 前節9月20日に昨季王者の高知Uトラスターを5-1で破り、13節目で首位浮上。逆転でリーグを制した。岡田氏は月平均6回の東京~今治往復でスポンサー集めに奔走。7月、元日本代表MF山田卓也とDF市川大祐を口説いてチームに加え底上げし、元U-17日本代表監督の吉武博文氏と構築中の「岡田メソッド」を落とし込む。バルセロナの育成法を基にした戦術で「まだ本物とは言えないけど春よりうまくなった」と力をつけた。

 目標のJFL昇格(原則2枠)をかけた11月の地域リーグ決勝大会へ「ようやくスタートラインに立てたけど、足踏みすれば盛り上がりがしぼんでしまう。勝ち抜くために集中したい」と引き締めた。【木下淳】

 ◆JFLへの道 全国9地域リーグの優勝チームと全国社会人選手権の上位を合わせた計12チームが、地域リーグ決勝大会に進出。四国代表となったFC今治は、1次ラウンド(11月6~8日)を突破し、決勝ラウンド(同21~23日)で2~3位(JFL所属チームの今季のJ3昇格数で変動)に入ることが条件。