16年のチーム1号は「去年の倍、得点を決める」と頼もしいDF渡部博文(28)だった。仙台は鹿児島キャンプ8日目の1日、今季初の練習試合を行った。東海大熊本相手に30分×3本を戦い、6-2で勝利した。

 1本目11分。MF野沢の左CKに誰よりも高く跳んだ渡部が、ヘディングでネットを揺らした。「セットプレーは意識してたので(結果に)つながって良かった。チーム初ということを良いきっかけに、シーズンでたくさんゴールできれば」と笑顔。昨季リーグ戦では3ゴール。センターバックとして堅守の柱となる一方、得意の頭からもゴールを量産していく構えだ。

 仙台2年目の今年は「覚悟」も違う。今キャンプから取り入れる新ヘアスタイルからも気合がにじむ。ツヤツヤの黒髪を「ガチガチに固めてます」という新スタイル。甘いマスクが売りだった姿から一変、男らしさも倍増。渡辺監督も「人間性含め、リーダーシップを発揮してやってもらわなければいけない選手。得点も取ってくれれば、チームの勝利も増えますしね」と信頼と期待を寄せた。

 渡部は、山形県長井市で過ごした小中高時代の全てで主将を務めてきた経験を持つだけあり、現時点で不在の新キャプテンを務める覚悟も? 「やれって言われたらやりますし、昨年末くらいからやりたいとも思ってる」。いずれにせよ、今季もチームの主戦としての自覚は十分。「年齢的には中堅以上でベテランに近い。チームを引っ張り、上位を目指せる雰囲気づくりもしたい」と力強く話した。【成田光季】