浦和MF武藤雄樹(27)が「2年目のジンクス」をゴールラッシュで吹き飛ばす。8日、鹿児島・指宿合宿での練習試合、大田シチズン(韓国)戦に先発。1ゴール1アシストの活躍をみせた。これで始動以来、実戦5試合で9得点となった。浦和加入初年度の昨年は、大ブレークで日本代表入りまで果たした。マークが強まる今季も、新背番号「9」にふさわしい得点力を発揮する。

 一発屋じゃない。むしろ昨季どころの得点力じゃない。大田シチズン戦の前半19分。武藤は相手DFがGKに頭で返したボールをかっさらうと、冷静にゴールへ流し込んだ。「来るかなと狙っていました。5日の柏戦で取れなかったこともあるので、絶対取ろうと思っていた」と笑顔をみせた。

 これで5戦9発。大学生、社会人との対戦もあったが「練習試合でもゴールを決めれば自信になる。これを積み重ねて、開幕に自信をもって臨める。練習試合で決められないと、本番では決められないと思っている」と言い切る。

 浦和加入直後の昨年の指宿合宿でも、3試合連続4得点という固め取りがあった。それが後の定位置奪取、リーグ戦13得点、さらには日本代表入りにつながった。「去年はそういう感じで、通用すると確信をもって公式戦に入れた。逆にここでよくないと、不安も残る」と結果を重視する。

 東北福祉大出身の男子ゴルフ松山英樹が、米ツアーで優勝した報も聞いた。仙台でプロデビューし、現地で震災も経験しただけに「東北に縁がある選手の活躍は、活気や勇気を東北に送るものだと、あらためて感じます。手倉森監督もよく、東北のためにとおっしゃっている。自分もやらないといけないと刺激になります」と受け止める。

 今季から、元日本代表FW福田正博さんらが背負った「9」を任された。「公式戦で点を重ねないと、ふさわしい選手とは証明できない」と表情を引き締める。まだまだ、こんなものじゃない。武藤が今季も、多くのゴールを浦和にもたらす。【塩畑大輔】