今季就任した柏のミルトン・メンデス監督(50)が、開幕3戦で電撃辞任した。12日、磐田戦後の会見で「本日がチームを指揮する最後の日となりました。思うような結果が残せず、心苦しい気持ち」と語った。いつもは表情豊かに熱弁をふるうが、神妙な表情を浮かべ、辞任に関する質問を受け付けず、会見の途中で退席した。

 前日11日にクラブ側と協議し、辞任を申し入れて受理された。理由を「家族の健康上の問題もある」と説明。母国ブラジルに住む両親が体調不良という。後任には下平隆宏ヘッドコーチ(44)が昇格する。

 メンデス氏は欧州指導者ライセンスで最高レベルの「UEFAプロ」を持ち、1月の新体制発表では「目標はACL出場権獲得」と自信たっぷりに宣言した。しかし、リーグ戦で13年ぶりの開幕2連敗で開幕ダッシュに失敗。失点が続き、戦術の不透明さなどから内部では不満の声も上がっていた。会見に同席した瀧川社長は「成績不振による解任ではない」と話したが、事実上の解任とみられる。メンデス氏の招聘(しょうへい)に尽力した渡辺強化部副部長がスカウトへ配置転換され、降格とも言える人事で責任を取らされた形となった。

 柏は昨季、複数年契約を結んでいた吉田監督(現新潟監督)を1年で交代させた。後任のメンデス氏もわずか3試合で退任。継続性のない監督人事が続くようでは、チーム力は上向いていかない。【上田悠太】