今度こそホームで勝って勢いをつける! J2清水はアイスタで金沢を迎える。前節はアウェーで勝利するも、チームが欲しいのは今季ホーム初勝利。負傷者が出てベストメンバーは組めないが、サポーターの声援を背に勝ち点3を取りに行く。

 J2清水FW鄭大世(32)が約11カ月ぶりのホーム白星へ、黒子に徹する姿勢を示した。金沢戦に備え、28日は静岡市内で完全非公開練習に参加。FW大前元紀(26)との2トップで先発が確実な鄭は「正直点は取りたいが、ベテランなので、チームのバランスを保つことをやらなければいけない」と謙虚に話した。

 現在、大前は今季J2得点ランクトップタイの6得点。対して鄭は1得点だ。開幕前に左足小指を骨折して出遅れ、コンディションを戻すため、今週も午前練習後に自主トレを行うなどしてきたが、「まだトップコンディションではない」と言う。

 それでも、チームのために体を張る覚悟だ。かつては「人間ブルドーザー」と呼ばれていた。川崎F在籍時は不調でもエゴを出していたが、ドイツや韓国でプレーし、昨季Jリーグに復帰。多くの経験を積んだ32歳は「自分だけ取れればいい」という考えを捨てていた。「チームで点を取れている人がいるなら、僕は喜んでゴールを譲る」。自身の結果よりもチームの勝利を最優先に考えるようになったベテランFWは、献身的な動きで勝利を呼び込む覚悟だ。【神谷亮磨】