福山ローザス・セレソンのエース石井久継(5年)は、あきらめていなかった。

 グランパスみよし戦は、1-1で第3ピリオドも残りわずか。自軍がゴール前に攻め込む。このチャンスはGKに止められたが、GKのミスキックを見逃さなかった。石井が鋭く走り込み、右足でシュート。決勝点を決めた。

 観戦した日本サッカー協会の北沢豪理事は「彼はわくわくさせてくれる選手。これからが楽しみ」と絶賛した。石井がサッカーを始めたのは5歳から。岡山県倉敷市から車で1時間かかるクラブに週3回通っている。地元にもチームがあるが「さらにうまくなりたくてこのチームを選びました」という。スピードもボールコントロールも抜群。予選大会では4試合で8点を挙げた。

 就任8年目の徳永将憲監督(34)は「全国制覇を狙います」。第3ピリオドに同点ゴールを決めた江川楓主将(6年)も「同点弾は自分でと思っていました。チームの状態は最高です」と力強かった。