東京がロスタイムの悪夢で、8強への道が断たれた。ホーム戦(17日、2○1)で先勝し迎えたアウェー戦。0-0の後半ロスタイム突入直後に失点を許した。ホームとは打って変わって波状攻撃を受け続け、2戦合計2-2。アウェーゴール数で下回り敗退が決まった。クラブにとっては、12年と同じベスト16の壁に阻まれる結末となった。

 霧掛かった上海スタジアムに、地鳴りのような歓声が最後の最後に響いた。東京が思い描いた「プラン通り」の90分間を過ぎた直後の後半45分5秒だった。上海上港FWエウケソンのシュートをGK秋元が両手ではじいたこぼれ球を、FW武磊につめられた。城福監督はベンチ前で手で口を覆い、スタンドにあいさつをして引き返す際には、下を向いて首を横に振った。

 ロスタイムの悪夢となって、8強への扉が閉まった直後の会見。同監督は「受け入れがたい結末になった」と絞り出した。後半に入って選手交代のたびに布陣を変更。後半20分、FW阿部の投入時に中盤の数を増やす4-4-2にし「自分たちの時間を増やす交代」。残り5分でDF丸山を入れて5バックにし「守りきるカード」と説明。試合前から想定し、選手たちにも伝えたプランが、90分経過直後に崩れた。

 日本クラブの一角が、またしても崩れた。上海上港と1次リーグ同組で敗退したG大阪から、相手の基本情報提供の協力を得ていた。日本の代表として臨んだACL。8強の壁に劇的な形で阻まれた同監督は「彼ら選手とアジアの舞台でもっと戦いたかった」と悪夢を受け入れるしかなかった。【栗田成芳】