10戦ぶりの黒星-。J2札幌は松本に敗れ、4月3日町田戦以来2カ月ぶりとなる3敗目を喫した。GKクをU-23韓国代表招集で、ボランチの稲本、宮沢を負傷で欠いた一戦。前半2点を失うも、後半FW都倉の連続ゴールで追い付いたが、3点目は松本に決められた。16試合で10勝3分け3敗の勝ち点33。前節まで勝ち点2差の2位町田も敗れ、首位陥落は免れた。

 壮絶な撃ち合いを試みるも、勝ち点は取れなかった。札幌四方田監督は後半40分過ぎ、DF増川も前線に上げた。FWの都倉、ヘイス、DF上原、増川と180センチ台の長身選手を並べ、何度もクロスを放り込んだが1点、届かなかった。指揮官は「後半追い付いたとき、守るというより3点目を取りにいく戦い方を選んだ。素晴らしいシュートを決められたが、積極的に戦ったことに悔いはない」と前向きに振り返った。

 10戦ぶりの黒星。42試合、すべて勝つことはできない。前節千葉戦は2点差を追いついての勝ち点1、今回は追い付いた後に勝ち越された。長いシーズン、勢いがある時もあれば、一端、止まる時もある。四方田監督は「まだ試合は続く。松本とはホームでの対戦もある。次戦う時は、もっといい戦いができるようにしたい」と前を見据えた。

 課題を克服して、3試合ぶり白星へ準備を整える。2戦連続で前半2失点。千葉戦に続き、この日の2失点目は、クロスからのセカンドボールを押し込まれた。前節までリーグ最少失点だったが、この2戦で5失点。DF増川は「前半はロングボールを入れられ押し込まれ、後手になってしまう部分があった。後半はしっかりつなぐということはできていた」と言う。相手に主導権を奪われている時間帯のリスク管理を徹底し、堅守を取り戻す。

 前節千葉戦で右膝前十字靱(じん)帯を断裂し、今季絶望となった稲本のユニホームがベンチに掲げられていた。2得点の都倉は「クラブも来季、イナさんにオファーを出すと聞いた。僕らの役目はJ1昇格して復帰の舞台を整えること」と強い口調で話した。敗れはしたが、まだ首位にいる。この敗戦を糧に修正を加え、もう1度、昇格への力を付けなおす。【永野高輔】

 ◆札幌の対松本戦 8日の敗戦で通算3勝2敗となった。初対戦は13年3月20日(札幌ド)で1●2で敗れた。以後、13年7月20日(松本)4○2、14年4月5日(札幌ド)1○0、14年9月28日(松本)2○1。14年の2試合はFW都倉が1点ずつ決めており、対松本3戦連発4得点。