リオデジャネイロ五輪のオーバーエイジ(OA)に内定した広島DF塩谷司(27)がフル出場し、対人の強さを発揮した。

 3バックの右でフル出場。東京FWムリキ(29)と対面する場面も多かったが、当たり負けせずに決定的なシーンを作らせなかった。攻撃面でも自陣からドリブルで持ち上がり、好機を演出するなど、攻守において存在感を見せた。試合は後半21分にFW浅野拓磨(21)のゴールで広島が先制したが、3分後の同24分に同点ゴールを許した。

 塩谷は「相手がギアを上げてきたときに失点してしまう。でもアウェーで東京に勝ち点を取れたのはポジティブにとらえたい」と切り替えた。

 試合後にはOAとしてリオ五輪のメンバー入りが内定したことを受け、「世界でどこまでやれるか良い機会。結果を求めてやりたい」と意気込んだ。打診がきたら行きたいと思っていた塩谷には、手倉森監督から電話で「一緒に戦ってくれ」とラブコールがあった。同候補の浅野にOA入りを報告した際に「心強いです。一緒に頑張りましょう」と言われたという。

 OA枠でのメンバー入りだからこそ、プレッシャーも感じているが「プレー面で引っ張っていきたい」とキッパリ。A代表で一緒だったメンバーもおり、「特に心配はしていないし、自分から積極的に声をかけていきたい」と頼もしかった。