J2札幌が、フッキ移籍で、多額の臨時収入を獲得する。ロシア1部ゼニトが28日に元ブラジル代表FWフッキ(29)の中国・上海上港への移籍を発表したことを受け、札幌は6月30日、国際移籍にともなう連帯貢献金を申請する方針を固めた。国際移籍の場合、23歳までに在籍した所属元が育成にともなう一定の対価を得られる。申請が通れば、約3000万円の貢献金を手にする。

 “札幌育ち”のフッキからビッグプレゼントが届く。移籍を確認した三上GMは「(連帯貢献金を)受け取る権利があるので規定にのっとって申請したい」と話した。ポルトからゼニトに移籍した際は、2000万円以上の収入をもたらした。今回、ゼニトは移籍金5600万ユーロ(約64億4000万円)と発表しており、この額で計算すると、移籍金の0・5%で3200万円になる。前回移籍時より1000万円近く高い金額を見込める。

 06年に1シーズンだけ在籍したフッキは、その後、着実にステップアップし14年にブラジル代表としてW杯に出場。今回は“爆買い”中国マネーも絡み、アジアクラブ史上最高額での移籍で、古巣札幌に巨額の収入をもたらす。同GMは「使い道は未定だが、来季以降の経営資金として、大事に使っていきたい」と説明した。

 ◆連帯貢献金制度 国際サッカー連盟(FIFA)が01年に定めた制度で、国際移籍をする際に、対象選手が12歳~23歳までに在籍した所属元が、育成に貢献した対価として一定額を申請できる。16歳から23歳の場合、移籍金の5%が連帯貢献金となり、そのうち在籍1年あたり10%(移籍金全体の0・5%)を得られる。