元G大阪社長の佐野泉(さの・いずみ)氏が10日にがんのため死去したことが11日、分かった。71歳だった。東京都出身。通夜は12日午後7時、葬儀・告別式は13日午前11時から奈良市秋篠町1180の43、セレミューズ秋篠で。喪主は長男圓(まどか)さん。

 松下電器(現パナソニック)出身の佐野氏は、02年6月から08年4月までG大阪の社長を務め、05年のJ1リーグ初優勝に導いた。当時の西野朗監督とともに第1次黄金時代を築き、退任後も選手による誕生日会が開かれるなど人望も厚かった。

 在任期間中の主力で04年には主将も務めた元日本代表DF、宮本恒靖氏(39=G大阪ユース監督)はこの日、大阪・吹田市内のクラブハウスで訃報を聞いた。「佐野さんのように、デンと構えてくれる人がいてくれてガンバは成長できた」と振り返った宮本氏は、06年にオーストリアの強豪ザルツブルクへ移籍する際には相談に乗ってもらったという。「親身になってくれて…。すごく良くしてもらった」と感謝した。

 昨年、G大阪ジュニアユースコーチに就任した際にも「よく(ガンバに)帰ってきた」と声を掛けてもらった。宮本氏は「いい選手を育てて、このクラブを成長させていくことが佐野さんへの恩返し、使命なのかなと思う」と話した。クラブは明日13日のアウェー大宮戦で喪章をつけてプレーする予定。