アーセナルへ移籍するリオ五輪代表の広島FW浅野拓磨(21)が、国内最終戦後の壮行セレモニーで号泣した。2-2に終わった横浜戦後、2万5845人が21歳FWを送り出した。堂々とスピーチ、両親と妹心春(こはる)ちゃんから花束を受け取った瞬間、涙腺が崩壊。あふれ出す涙をこらえきれなかった。

 「こみ上げてくるものがあった。家族に一番お世話になった。何をしても返しきれないほどだが、恩返ししていかないといけない」

 1-1の後半38分。ゴール前でMFミキッチの速い右クロスに反応。足を伸ばし、相手DFを引きつけた。戸惑った相手GKがはじき、こぼれ球をFW佐藤が押し込んだ。一時は勝ち越しとなるゴールを演出。それでも、満足できるものではなかった。

 「最後まで僕らしく終わってしまった。サッカーの神様が『そんなに甘くないぞ』と伝えてくれたと思う。今度は成長した姿を見せられるようにしたい」

 入団3年半でイングランドへ旅立つ。広島での経験を力に変えて、21歳は新たな挑戦に出る。「また、広島のユニホームを着てプレーできることを楽しみに全力で頑張りたい」。今日18日に渡英。五輪代表にはロンドンで合流する予定だ。浅野の世界での活躍を日本のファンは待っている。【小杉舞】