磐田はホームで鳥栖と対戦し、1-1で引き分けた。前半に守備のミスから先制を許したが、後半ロスタイムにFW森島康仁(28)がPKを獲得。エースFWジェイ(34)が冷静に決め、今季10点目で同点に追いついた。連敗を3で止め、土壇場で勝ち点1を手にした。

 トップ下にはMF川辺駿(20)が抜てきされた。オランダ1部ヘーレンフェーンに移籍したMF小林祐希(24)に代わる新司令塔として、中盤でシンプルにボールをさばき、攻撃のリズムを作った。

 だが、チームは先に失点した。前半12分、鳥栖が仕掛けたDFライン裏へのボールにDFパパドプーロス(31)が足を伸ばすも、クリアしきれなかった。完全なミスで、こぼれ球を相手MF鎌田大地(20)に拾われ、そのままゴールを決められた。

 磐田はリーグ15試合ぶりに復帰したGKカミンスキー(25)が手をたたいて鼓舞し、すぐさま反撃に出た。同29分にはDF中村太亮(27)の左クロスに川辺がヘディングで合わせるも、ポスト直撃。ゴール前でのFKも獲得したが決めきれなかった。

 苦しい時間が続く中、最後にチャンスをつかんだ。後半ロスタイム、途中出場のDF石田崚真(20)が強引に右サイドを突破し、クロスを上げた。ペナルティーエリア内で同じく途中出場のFW森島康仁(28)がジャンプした瞬間、相手DFに腕をつかまれてPKを獲得。それを3試合ぶりに先発したジェイが冷静に左足でゴール右上に突き刺した。土壇場での同点。名波浩監督(43)が「戦えない選手は使っていない。全員が戦えるということ」と話していた通り、途中出場を含めた全員がファイトしていた。

 連敗は3でストップ。第2ステージいまだ白星はないが、J1残留へ大きな勝ち点1を手にした。【保坂恭子】