J2清水はアウェーで松本に0-1で敗れた。前半24分に警戒していたセットプレーから先制点を献上。失点後は攻撃が単調になり、堅守の相手を崩しきれなかった。勝ち点4差(前節終了時)で迎えた2位松本との直接対決を落とし、5位に後退。J1自動昇格圏内の2位に入るには、次節アウェーC大阪戦(10月2日)は勝利が求められる。

 またも上位に屈した。清水は前半24分にFKから崩されて失点。警戒していたセットプレーでリードを奪われ、その後はロングボールを多用する相手の術中にはまった。後半はFW大前元紀主将(26)を投入したが、リーグ戦では9試合ぶりの無得点で敗戦。選手たちはうなだれるしかなかった。

 大前は「多くのサポーターが来てくれたのに申し訳ない」と言った。勝てば、2位松本との勝ち点差が1に縮まる状況だった。選手、スタッフ、サポーターがこの一戦の重みを理解していた。今季、アウェーでは最多となる約3000人のサポーターが集結。試合前、ハーフタイムには鮮やかなコレオグラフィー(人文字)を作り、声援を送ったが、思いは届かなかった。

 今季は、現在プレーオフ圏内(6位以内)の他5チームに1度も勝ててない。小林伸二監督(56)は「ピッチが思った以上に悪かった」と話したが、常にピッチ状態がいいアイスタでも上位勢には未勝利だ。残り9試合でアウェーは5試合。環境面を敗因に挙げれば、今後は不利な状況が多いことになる。

 昨年10月3日には、J1残留を懸けた直接対決で松本に屈し、次の仙台戦にも敗れてJ2降格決定。絶望だけを持ち帰った因縁の地で再び敗れたが、今季はまだ希望を残している。大前は言った。「自力(昇格)は厳しいけれど、目の前の試合をしっかり戦えばチャンスはある」。次戦は3位C大阪とのアウェー戦。とにかく勝つしかない。【神谷亮磨】