新潟は今日22日の第2ステージ(S)第15節、浦和とホームのデンカSで対戦する。FW鈴木武蔵(22)が今季リーグ戦初得点で浦和の第2S優勝阻止と残留への道筋をつける。13年にはアウェー横浜戦で相手の優勝に待ったをかけるゴールを決めるなど、重要な試合で存在感を示してきた。新潟は現在勝ち点30で年間14位。J2降格圏の同16位甲府と2差。J1残留のために、勝ち点を積み重ねたい状況だ。鈴木は、ここまでとっておいた今季初ゴールを、大一番で披露する。

 好感触は得た。試合前日21日。全体練習を締めくくるリラックスゲームで鈴木は2得点。ゴール前に走り込み、続けざまに右足で決める。「浦和戦でも決めたい」。速さを生かし、浦和守備陣のスペースを狙うカウンターを頭に描く。

 群馬・嬬恋村でのミニキャンプ(11~15日)では、練習試合などで、本職のFWではなく右サイドハーフに入ることが多かった。浦和戦も起用方法は複数考えられる。それでも「自分の特徴を出せばいいだけ」とこだわりはない。

 J2降格圏と背中合わせの新潟は、浦和戦からG大阪、広島と上位勢との対戦が続く。浦和は新潟に勝ち、神戸と川崎Fが引き分け以下なら今節で第2S優勝が決まる。どちらも勝ち点3がほしい。鈴木は「そういう雰囲気は好きです」。大一番には自信がある。

 13年の第33節、新潟はアウェーで横浜と対戦。勝てば優勝が決まる相手を2-0で下した。鈴木は後半途中出場し試合終了間際にダメ押しの2点目を決めた。片渕浩一郎監督(41)の初陣だった前節磐田戦(1日、2-1で勝利)も後半途中出場で、FW山崎亮平(27)の決勝点をアシストした。

 「プレッシャーはある。でも、その分試合に集中もできる」。重圧をパワーに変えるずぶとさがある。片渕監督は「彼のストロングポイントが必ず必要になる」と頼りにしている。

 今季は左大腿(だいたい)四頭筋肉離れで出遅れ、リーグ戦はまだ無得点。ただ、初得点は大事な試合にとっておいた、とポジティブに捉える。「負けたくない、ではなく、絶対に勝ちたい」。負けん気の強さも決戦を制する武器になる。【斎藤慎一郎】