“トリプル昇格”でプロ1年目の飛躍につなげる。トップ昇格が決まったJ2札幌U-18FW菅大輝(18)が27日、初めてプロ入りに向けた目標を設定した。前日26日に自身のトップ昇格が決定。11月はトップチームとしてのJ1昇格がかかっており、12月にはユースのプレミアリーグ昇格をかけた参入戦(16、18日、広島)に出場する。3カ月連続の昇格を成し遂げ、夢のプロ入りに弾みをつける。

 トップでもユースでも結果を出し、気持ちよく次のステップに踏み出す。トップチーム昇格決定から一夜明け、菅は「札幌のジュニアスクールに通い始めた小学4年のときから、札幌でプロになるのが夢だった。うれしい」と顔をほころばせた。

 まずは扉を開いた。ここからは、16年の集大成に入る。トップチームは最短でも11月3日讃岐戦で5年ぶりのJ1昇格が決まる。「残り5戦で、少しでも試合に絡んで昇格に貢献できたら。チャンスがあれば得点も狙いたい」。前回出場した16日愛媛戦では後半ロスタイムに放った左足ボレーがGK正面に飛び、決めきれなかった。札幌のリーグ戦最年少得点は、96年FW吉原の18歳2カ月19日。菅は9月10日に18歳になったばかり。今季残り約1カ月でプロ1号をマークし、記録更新を狙う。

 12月はユースのエースとして使命を果たす。高校2年だった昨季、プレミアリーグイースト9位に終わり、初めてプリンスリーグに降格させてしまった。16、18日のプレミアリーグ参入戦へ「去年、降格させてしまった責任がある。後輩たちが成長するために、もう1度プレミアに上げないと」と前を向いた。トップとユースの、ダブル昇格に備える。

 目標とする選手は、同じ左利きで、現在チーム最多得点のFW都倉を挙げた。「FWとして大事なときに点が取れる選手になりたい」。スタイルは異なるが、左足の強烈なミドルを武器とする点は共通している。来季もチーム残留が決まった先輩の背中を追い、そして追い抜くために、1つ1つ目標を達成していく。【永野高輔】

 ◆札幌のリーグ戦年少得点記録 最年少は96年FW吉原で、4月21日JFL福島戦に出場し、18歳2カ月と19日での初ゴールを記録した。2位は02年のFW新居で、18歳3カ月29日となる4月20日J1鹿島戦で初得点。3位は10年のFW三上で、18歳5カ月11日となる10月16日J2甲府戦で初ゴールを挙げた。