16年に日体大で関東大学1部リーグで得点王に輝き今季、新加入したザスパクサツ群馬FW高井和馬(22)が、J初ゴールを決めた。

 高井は後半9分、MF岡庭裕貴からFW石田雅俊と流れるように回ったパスをペナルティーエリア内で受けると、左足を豪快に振り抜いてゴールにたたき込んだ。

 2月26日のV・ファーレン長崎との開幕戦でデビューし、フル出場を果たしたが0-4と大敗。

 2節でのJ初ゴールも「開幕戦で決めたかったですけど…知り合いや親も見に来てくれたので、決められて良かった」と控えめに喜んだ。

 日体大では10番を背負い、16年の関東大学1部リーグでは14得点を挙げた。大学ナンバーワンFWとして、名古屋グランパスなど複数クラブが獲得を目指す争奪戦となり、進路が注目される中、群馬入りを発表したのは昨年12月だった。

 高井は「何不自由なくやれていますし、トレーニングもチーム内で高め合ってやれていて雰囲気もいい。選択が間違っていたとは思っていないし、そのことを結果で見せたい」と胸を張る。

 近年、群馬は大卒選手を獲得し、伸ばす育成手腕が高い評価を受けている。16年には明大から加入したMF瀬川祐輔が、リーグ戦全42試合に出場し、13ゴールを挙げる活躍を見せ、J1大宮アルディージャに移籍した。充実した練習に試合への出場機会もあり、高井も成長への手応えを感じている。

 開幕2連敗と苦しいスタートとなったが、表情は明るい。「今日は、とりあえずゴールを取ってほしいと言われて、取れた。ファーストゴールを決めてから、波に乗りたいと思った。理想は1試合1点…掲げている数字はないですけど、チームの勝利に得点で貢献できれば」と静かに闘志を燃やした。【村上幸将】