J2京都サンガFCに新加入した元日本代表のDF田中マルクス闘莉王(35)が、決勝点となる移籍後初ゴールで今季初勝利をもたらした。試合中に痛めた右脚で後半45分に貴重な1点を奪った。

 百戦錬磨の勘だった。0-0の後半45分。最前線で闘莉王はマークを外し、味方が頭で軌道を変えたボールに反応した。右足を振り抜き、倒れ込む。決勝ゴールを確認すると、ベンチ横で喜びの輪を作った。「移籍してきて、京都の街で何も出来ていなかった」。サポーターや仲間と、1ゴールの価値を分かち合った。

 交代枠を使い切った後半途中、右脚に痛みが発生した。「交代があったら、交代していた」という状態でDFラインは形成できず、25分過ぎから最前線へと移動。まさにけがの功名で大仕事をやってのけた。前節の開幕山形戦で敗戦につながるPKを献上し「夜も眠れなかった」。移籍後初勝利の味をかみしめつつ「まだまだ不細工な試合。昨日より今日。今日より明日」と上昇を約束した。