アルビレックス新潟は今日11日の第3節(デンカビッグスワンスタジアム)、清水エスパルスを相手にホームの開幕を迎える。DF大野和成(27)にとっては、プロ入り10年目、新主将として初めて迎えるホーム戦だ。勝てば今季初勝利、チームのJ1通算150勝目になる。記念の勝利をサポーターと喜び合うために、チームを統率する。

 緊張感を持って、DF大野はホーム開幕戦に臨む。「キャンプテンマークを巻いてビッグスワンのピッチに立ったら、責任を感じると思う」。チームは清水戦に今季初の勝ち点3がかかる。その白星はJ1で14年目の新潟の、通算150勝目になる。今年でプロ入り10年目。新主将として迎える節目の年、自身にとっても記念の勝利だ。

 忘れていないのが11年の東日本大震災のこと。6年前の3月11日、発生当日はホーム開幕の第2節モンテディオ山形戦の前日だった。大野は理髪店で大きな揺れを感じた。「今、サッカーができる日常に感謝したい」。さまざまな思いを抱いた今年の3月11日。「特別な開幕戦」と気を引き締める。

 新潟は試合前日の10日の練習、一部非公開でセットプレーの攻守などに取り組んだ。開幕から2試合で喫した3失点はいずれもセットプレー絡み。大野は「自分のマークに責任を持つ。それを徹底させる」と、要のセンターバックとして守備陣に一層の集中を求めた。三浦文丈監督(46)は「落ち着いてやっている。安定している」と主将のプレーを評価する。

 「たくさんの人に試合を見に来てほしいんです。満員のビッグスワンで、全力を出す僕らを応援してもらいたいです」。大野はサポーターに向けた思いをあらわにする。昨季の新潟の1試合平均ホーム観客数は2万人ほど。満員の4万人の中で白星をプレゼントすることが主将としての願いだ。【斎藤慎一郎】